初恋の人からあやかさんへお手紙が届きました。
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あやか、元気?
今でも血液型で性格が決まると思い込んでいますか?本気でB型はマイペースだと言っていたあやかがなつかしいです。
あやかが「もっと私に興味を持ってくれる人と付き合う」と言い捨てて別れたあの日から、もう4年が経ったんだね。月日が流れるのは早いものです。
あ、そうそう、手紙を書いたのは何か理由があるわけではないんだ。あやかに名前が似てる犬がいて、ふとなつかしくなったから、たまには思いついたままに何か書いてみようと思っただけ。ふふ。
あのころの付き合いを思い返してみると、かなり自分だけが空回りしていたなぁと思います。あやかのほうがだいたいいつも余裕があって、電話できなかったり会えなかったりすると、なんだかんだとおれのほうが不機嫌になっていたなぁと。「好きな人ができたら言ってね」と言うあやかの余裕が、やけに自分には痛かったものです。というか別れるのを推奨されていたような…。
確かあのとき、あやかにとってはおれが初彼氏だったかな?そうだったからか、最初のころのあやかは自信なさげでしたね。「私左側を歩いたほうがいい?」「手より腕を掴んだほうがいい?」とか聞いてきて、少し面倒でした(笑)
付き合い始めのころは、勢い余って、あやかが「いつか結婚してもいいけど」とか言っていましたね。言い方は素直ではなかったけれど、その気持ちは嬉しく思ったものです。後先考えずにそういうことが言えてしまうところもあやからしいですね。
恋愛を総括して言えば、きっとおれはあやかと付き合うことができてよかったのだと思います。いつもどこかにいってしまいそうなあやかと付き合って、最終的には自分との戦いだということを学びました。
いろいろ書いたけど、おれはあやかのことがそれでも好きでした。これからもあやからしくいられるよう、それと、そろそろゴキブリを素手で殺すのはやめて(笑)、幸せをふりまいてください。
またいつか会いましょう。では。
P.S. あのころのあやかは、なぜかお婆ちゃんのニオイがしました。